シャーロック・ホームズについて語りたい!
・・・そこで、最初に言っておかなければならないことは、筆者がシャーロキアン(シャーロック・ホームズの熱狂的なファンのこと)ではない、ということです。
大好きだし、何度も読んでいるし、ジェレミー・ブレッドが演じたシャーロック・ホームズのDVDは全巻持っているけれども。。。
ちなみに、このドラマは、素晴らしい名作です! 筆者は一時期、ケイタイの着信音を、あのテーマ曲にしていた程で。。。あれっ?やっぱり、ちょっとばかり、シャーロキアンに足を突っ込んでいるかな? いやいや、あの人達にはやっぱり、到底かなわないと思うけど。。。
さて、そんなこんなで、ちょっとしたホームズ・ファンの筆者だが、急に思い立って、またまた久しぶりに、シャーロック・ホームズの全巻を手にとった話です。
・・・といっても、筆者の愛読書は余りにも古びて埃を被り、手に取るだけで痒くなりそうだったから、今回は断裁して電子化した自炊本に再生させて・・これでいつでもFireHDに入れて持ち歩ける!!!
で、懐かしく、いろいろと思い出したわけですが。。。
私の蔵書は新潮文庫のものです。なんと初版は昭和28年(1953年)。
新潮文庫『シャーロック・ホームズの冒険』延原謙 訳
これを筆者が最初に手にとったのは、小学校6年生の時です。通っていた図書館の、どの本棚にあったかまで覚えているほど鮮明な記憶。
その頃の私と言えば、毎週のように図書館通いをし、リミットの冊数まで本を借りていました。基本はいつも父と一緒。帰ると、母にも借りた本のチェックをされるという具合。
当然のように、子ども向けの本棚から、次々と本を借りていたある日、『シャーロック・ホームズの冒険』を借りて帰った時のこと。確かポプラ社だったと思います。
しかし、その本は読みませんでした。理由は単純。母親に「こういうミステリーは子ども向きで読んだら、おもしろさは半減よ!」と言われたから。
それで、初めて大人向けの棚に行って、新潮文庫のホームズを手に取ったわけです。
それは、非常にドキドキする体験。「ここは子どもの来るところではないよ!」と言われるような気がして。でも、大人の本を読もうとすると「ダメ!」と言っていた両親が、珍しく止めなかったんですよね。「読めるなら読んでみたら?」とね。
そんなわけで、子どもの頃の優しい思い出もあって、シャーロック・ホームズは私にとって特別な存在でもあるわけです。
さて。
今、ホームズは新潮文庫だけでなく、さまざまな出版社から、さまざまな翻訳版が出ています。私もその後、いくつか読んでみました。しかし、今に至るまで、筆者にとってホームズといえば、この延原謙のものです。ちょっと古びた、時代がかった言葉遣いも、ホームズの時代のロンドンを彷彿とさせ、どこか品が良く、そしてホームズの変人振り、ワトソンの生真面目振りも生き生きと感じさせてくれます。
子どもの頃には、「おもしろい」と思ったものの、よく分かっていなかった部分が、大人になるにつれて、どんどん分かるようになってきて、何度読んでも飽きさせません。
翻訳というのは、当たり前だけど重要ですよね。ひょっとしたら、今の10代20代の人にホームズを薦めるなら、新しい訳のものの方がいいのかもしれない。でも、60年以上経つのに、未だに新潮社が、この延原謙訳のものを出版し続けているのですから、どれほどの名訳であるのか、想像できるというものです。
新潮文庫は全10巻。ただし、原作の刊行順とは異なるんですよね。1巻目で訳者が原作発行順でのおすすめ読み順を記載しているので、順番は直した方がいいかもね。
『緋色の研究』
『四つの署名』
『シャーロック・ホームズの冒険』
『シャーロック・ホームズの叡智』
※原作では「冒険」他の短篇集から割愛されてしまったものを掲載)
『シャーロック・ホームズの思い出』
『バスカヴィル家の犬』
『シャーロック・ホームズの帰還』
『恐怖の谷』
『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』
『シャーロック・ホームズの事件簿』
追記・・・
ちなみになんだけど、今回この記事を書くにあたって調べていて分かったこと。。。
なんと、昔読み損ねたポプラ社のホームズって、阿部知二(小説家・翻訳家)が訳者じゃないですか!!! 読んでおけばヨカッタ!!! イヤ、今からでも読み比べたい! 古本だけど見つかるかなぁ。。。
さらに追記・・・
おお、創元推理文庫の阿部知二訳本をKindle版で見つけた!!! クリック!この創元社のが原作らしい。
(ちなみに現在、創元からは新訳版が出ている←未読)
ちなみに、新潮社のもKindle版ありますよ。私は電子で買い直す気はないけど。
(2017年8月初出、2024年10月加筆修正)