夕月の本棚

新旧いろいろ、ノンジャンルで本をご紹介します

秋の夜長の愉しみ 『世界をまどわせた地図』

発売時(2017年)に、話題となっていた本。

見た瞬間、欲しくて欲しくて……。

ちょっと重かったりもしたので、買うタイミングを逃して、ずいぶんあとになってから、amazonで買いました。

うれしくて抱え込んでいますが、やっぱりちょっと重い。

 

エドワード・ブルック=ヒッチング 著 日経ナショナルジオグラフィック社

『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語』

 

古地図の本です。間違いだらけ、妄想だらけの。。。

著者いわく「絵空事」ばかり。

しかし、それが信じられていたのは、地図に描かれていたから・・・だそうだ。

現代の地図を手にする我々にとっては絵空事でも、当時の人々にとっても真実。それは、我々にとって、なんともロマンある話のように映ります。

 

だから、この本は楽しい。

 

「アトランティス」や「悪魔の島」など、現実的に探している人はかなりの少数派であろうと考えられるものから、今も信じて探している人もいると想像できる「カラハリ砂漠の古代都市」、朝鮮半島を島として描いている「朝鮮島(横にある日本列島はそれなりの形だ)」などなど、実に盛りだくさん。

 

ヨーロッパの古地図というのは、実にグラフィックに優れていて、余白には絵なども。空想の動植物など、それを見るだけでも楽しく、筆者は趣味の一つであるジグソーパズルの古地図を買って、飾っているくらい。コレクターがいるのもわかりますね。欲しくなりますもの。

 

さて、この本のうれしいところは、ただ地図を載せるだけでなく、その背景もきちんと解説してくれていること。実は、読み応え抜群なんです。

 

でも、コレを読んでおくと今後、欧米のファンタジーや中世以降の文学を読むのが益々楽しくなる予感。。。それもワクワクです。

 

しかしながら、ハードカバーの大型本で、分厚い。。。だから重いんです。

筆者のような活字中毒者には、両腕に抱いて持ち歩くには、なんとも心地良い重量感なのですが(・・・これは、「バカじゃない?」という言葉を甘んじて受けよう!)

 

だから、一気に読むというより、ちょっとずつ読むことをオススメしますね。

夜な夜な酒をチビチビ舐めつつ、数ページずつ寝る前にページをめくる。。。なかなか優雅です(これは「根暗という言葉を受け付けない。趣味に生きているだけだし!!)

 

最近、自分の持ち物を少しでもスリムにしようと、大部分を占める蔵書の整理をして、電子化を進めているのですが、こういう本を電子化するのは無理ですね。

 

やっぱり本は、こうでなくちゃ!

 

 

(2018年2月初出、2024年11月加筆修正)

 

 

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追記

2年後、この本も迷わず買いました。

続巻がでるんだから、筆者の同好の士はけっこういるんでしょうね。

 

『世界をおどらせた地図 欲望と蛮勇が生んだ冒険の物語』

 

 

 

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