活字中毒の筆者ですが、ちょっとお疲れモードの時は、とにかくハッピーエンドが読みたくなります。
それも、とってもお手軽なやつ!!
・・・ということで、かるーい、女の子向けの本を紹介します。
(もちろん、男性もこっそり読んでいただいてもいいですよ……)
ということで、筆者世代には懐かしい田辺聖子から。
田辺聖子 著 『おちくぼ物語』 文春文庫
『落窪物語』というのは、平安時代に書かれた古典で、著者不明。その内容は、「シンデレラストーリー」です。この時代にあっても、東西の違いはあっても、同じような話が伝えられているのは、変わらないという証明のような本です。
そして、おもしろい。。。
継母にいじめられた美女の姫君が、貴公子に見出されて幸せになるというお話し。一方、継母の方は「きちんと」没落します。
ちなみに、他にも似たような話が鎌倉時代の『御伽草子』にもあって、こちらは「鉢かづき姫」。継母にいじめられて家を追い出された美女の姫君が、紆余曲折があって貴公子と幸せになる話です。
継子いじめ、というのは、永遠のテーマなのですねぇ。幸せになってくれるから、いいケド。
筆者はハーレクインもけっこう好きですが、多いですよ、シンデレラもの。継子いじめなど、両親のいない設定。
でもこういうのって、ハッピーエンドと分かっているから、安心して読める。これが「ざまぁ系(主人公をいじめる悪役が“ざまあみろ”な展開)」もプラスされたら、さらに爽快!
さて、この「おちくぼ物語」は、田辺聖子がテンポ良く、現代語訳というより、新しい物語として肉付けしたロマンス小説。
きちんと王子様とハッピーエンド、「微ざまぁ」ありで、読みやすいし、おもしろいし、読むのを止められませんよ。
その証拠に、ロングセラー。最近では、新装版が発売されて、表紙に美内すずえがイラストを描いていているのも、一役買っているかも。
ちなみに、美内すずえといえば、『ガラスの仮面』。すでに連載30年以上、現在49巻で止まっていて、何年も新刊が出ず、そんなヒマがあったら新刊出してくれ~~~と叫びたい気もするが。。。
・・・脱線しました。
とにかく、これは、女性ならおもしろいと思える1冊ですよ。
最近ではコミックも人気。むしろ、こっちの方が知っている人が多いか?
山内直実 『おちくぼ』全6巻 花とゆめCOMICS
『なんて素敵にジャパネスク』を書いた、平安モノが得意な漫画家さんなので、こちらも安定のおもしろさです。
筆者は完結をまって、大人買いしてしまいました。まぁ、全6巻だし。
小説もコミックも、電子版もあります。
合わせて、おすすめです。
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追記。
筆者世代だと、田辺聖子ファンは結構いますね。筆者は違いますが。そして、そんな「田辺聖子はちょっと……」という方でも、この本は面白いと思います。
(2017年11月初出、2024年11月加筆修正)