夕月の本棚

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12月のお約束〜 『クリスマスキャロル』と『くるみ割り人形』

・・・信じ難いことですが(!?)、明日から12月です!

大人になると・・・というか、年を重ねるにつれて、12月となると、愕然としたり、焦ったり、意味もなくブルーになったります。

師走という言葉は、ますます気鬱になるので、とりあえず25日までは、明るく楽しく過ごすために「クリスマス」に目を向けることにしましょう。

 

もっとも、クリスチャンではないし、子供でもないので、イベント的にはさして興味はありません。

でも、嫌いではない。

というのも、飾り物がカワイイから。嫌いではない、というか、見ていて楽しい。

少なくとも、算盤はじいて駆け回る師走のイメージよりは、ずっと楽しい(爆)。

 

・・・難点は、数時間デパートにいると、クリスマスソングにうんざりさせられるということ。クリスマスソング自体は好きな曲も多いけど・・・“じんぐるべ~る”とか終日聞くもんでもない。

そう言えば、会社員時代は、23~25日といえば、大抵は死ぬほど忙しい時期で、休日出勤に深夜残業。

寂しいからとラジオを付けるとずっとクリスマスソング、

出前を取れば、赤い帽子をかぶって来やがる……。

 

ああ、いろいろ思い出してきました(←色気無し)。

 

まぁ、そんな私が毎年この時期のお約束といえば、ディケンズのクリスマスキャロルを読み(時には映画も)、チャイコフスキーのくるみ割り人形(バレエ)を見る(音だけも好き)。

どちらも、メルヘンなおとぎ話ですが、夢があっていいです。

 

クリスマスキャロルは、金の亡者の偏屈じじいが過去・現在・未来の精霊に導かれ、人生の過ちに気づき、クリスマスを愉しみ、人々に善行を施す喜びを知る話。

 

チャールズ・ディケンズ 『クリスマス・キャロル』 春風社

ディケンズ公認のアメリカ版挿絵25点つきの単行本。文庫本もいいけど、こちらもオススメ。家でホットワインでも飲みながら、ゆったり読んで欲しい一冊です。

 

それと、映画の方は・・・新旧いろいろ名盤も多いけど、意外にオススメなのがコレ。

 

『ミッキーのクリスマス・キャロル』

ドナルドがスクルージを熱演する名作です(笑)。

 

 

さて。クリスマスキャロルともに、筆者の定番のくるみ割り人形。プレゼントにもらったくるみ割り人形が王子となって、少女を自分の国へ。夢のようなひとときを過ごした少女は、人形を抱いて目覚めて終わる話。

 

くるみ割り人形のバレエDVDも種類がたくさんあって、いろいろ見比べて楽しんでいただきたいのですが、熊川哲也さん、すばらしかったな~。若き日のお姿は映像で!

 

K-BALLET COMPANY『熊川哲也 くるみ割り人形』

 

 

クリスマス・キャロルとくるみ割り人形は、

どちらも、美しいストーリーであり、映画もバレエも美しく描かれます。

 

理屈不要の楽しさ、美しさ。

くるみ割り人形のクララ(主役の少女)のような、純粋な夢の世界の美に癒され、クリスマスキャロルのスクルージ(主役の老人)のように、老いて人生の素晴らしさを感じることへの安堵感。

 

・・・やっぱり、年末が近づいてくると、心も疲れてくるのでしょうか?

 

今日もくるみ割り人形の美しい音楽を聴きながら、癒されて、なんとか楽しい正月まで持ちこたえようと思います!

 

 

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追記。

ちなみに、筆者お気に入りのクリスマス・キャロルは、英語版・布貼りのハードカバーで、アーサー・ラッカムの挿絵という美本です。

 

 

(2010年12月初出、2024年11月加筆修正)

 

 

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