今日は12月12日。ダズンローズ・デーですね。12本のバラを恋人やパートナーに送る日。
・・・まぁ、筆者には関係ないけど。
そんなわけで、バラの代わりは本。
ベタベタのロマンス……ということで、ハーレクインの名作(と筆者は思っている)を選びました。
サラ・モーガン『片思いに終止符を』ハーパーコリンズ・ジャパン
ハーレクインはペーパーバックで、雑誌のようにすぐに店頭から消えてしまうのですが、近頃は電子版があるので、うれしいですね。
舞台はイギリスの湖水地方。クリスマス・シーズン。シングルマザーのヒロインが、幼なじみで兄の友人、ハンサムで名医・山岳救助隊の一人というスーパーヒーローとハッピーエンドになる話。
・・・こう書くと身も蓋もないな。
でも、これが面白いんです。ヒロインの娘がかわいくて、ハーレクインらしく、相手の男がかっこよくて。
サラ・モーガンは元看護師で、医療を舞台にした作品が多く、筆者お気に入りの作家さんです。
たくさん本が出ているのですが、今回はちょうどクリスマス前のこの時期に読むといいね、ということで、こちらを選びました。
また、この「湖水地方の山岳救助隊」をテーマに、主人公を変えながらシリーズ化していて、どれも面白いです。
ハーレクインの面白さって、ストーリー展開以上に(だって、ハッピーエンドって決まっているし)、キャラクターの魅力だったり、人間関係と心の機微をいかに描くか、に掛かっていると思います。
そして、ちょっとのドキドキとときめき、流れるようにハッピーエンドに向かっていく安心感。
サブ的な要素として、筆者は欧米の文化や慣習を知ることができるのもポイントだと思っています。登場人物たちの日常の行動や言動に、ちょっとした知識が得られるのも楽しいというか……。例えば、クリスマスは家族はもちろん、友人・知人にもちょっとしたプレゼントを用意するから、大変なんだな~とか。イギリスのクリスマスといえば「クリスマスプディング」だと思いきや、「ミンスパイ」っていうのもあるんだな~とか。
英語で読むと、教科書では得られない、ウィットにとんだ会話とかも知ることができるし、英語の勉強をしているヒトなら、オリジナルで読むのもオススメしています(割とカンタンです)。
ハーレクインを三文小説と馬鹿にする人もいらっしゃると思いますけど、それは偏見です。たくさん本が出ていて、玉石混合であることは否定できませんが、ロマンス小説として、エンターテイメントとして上質なものもけっこうあります。
良い本で出会うために、その何倍以上もイマイチなものをたくさん読まなければならないのは、どのジャンルにも言えることですよね。
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追記。
どうでもいい!と言われそうですが、ハーパーコリンズとは、ハーレクインを買収した現在の出版社。日本法人もハーレクインという名称ではなくなっています。でも、何かが変わったという感じはないです。