また訃報。年の瀬は特に、切ない気分にさせますね。
まして、つい最近、谷川俊太郎さんの訃報で寂しい気持ちをしたばかりなのに。
今回は高橋真琴さんです。今年卒寿(90歳)でも、展覧会を開催されていたので、お元気なのだと思い込んでいましたが……。
昭和世代の筆者にとって、高橋真琴さんの絵は女の子の基本アイテムでした。
筆者にとっての一番は「ぬりえ」。昭和のぬりえ本は小さな冊子でたくさん売られていて、筆者は子どもの頃何冊も買ってもらいました。たぶん、本屋じゃなくて、文具店とかで買ってもらったような気がする……。
たしか、はじめて24色の色鉛筆を買ってもらったときも、高橋真琴さんの絵だった。もう、うれしくて、宝物で、大事にしていたのを覚えています。
雑誌の『なかよし』も『マーガレット』も、小学生くらいまでは毎回読んでいました。
だから、とにかく、高橋真琴さんの描く女の子は身近な存在だったのです。
といっても、当時は幼稚園児~小学生くらいなので、高橋真琴さんという名前を知りませんでした。ただ、絵を知っていただけで。
だから、ホントに大きくなって、かなり大人になって、ふと本屋で画集を目にとめて、名前を認識したんです。
そこから、改めて大ファンになりました。
もう、懐かしくて、見ていてうれしくて。
今の人が見たら、高橋真琴さんの絵は、昭和レトロそのものなんだろうな。でも、美しいものは美しい。
後の世に残る絵だと思います。筆者が何十年後に再発見するくらいに、素晴らしいものだから。
本を紹介したいのですが、あっという間にどれも絶版みたいです。それでも、特に気に入っているものを紹介します。
『高橋真琴の宝石箱』
なんと、オールカラーの5色刷りです。念のため書いておくと普通のカラー印刷は「C(青系)・M(赤系)・Y(黄系)・K(黒)」の4色。これに特色1色が加わるって言うのは、印刷単価がガンと上がる訳で、なかなかやらせてもらえないものなんです。さすがは高橋真琴!です。ホント綺麗。
それともう一つ。
『高橋真琴 ぬりえブック』
子どもの頃にもどって、もう一度塗り絵がしたくなりました。なんか楽しい!
とにかく、半世紀以上前、この方がいたから、今の美しい少女マンガの世界が生まれたと思います。
高橋真琴先生、
あの頃、楽しい夢をありがとうございました。
わたしも夢見る乙女(幼女)でした。
筆者にとって、先生の絵は、幸せな少女時代の象徴です。
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追記。
谷川俊太郎さんの時も思いましたが、きっと高橋真琴先生も故人を忍んで、新刊が出たりしないかな。ちょっと高くでも、奮発してしまうかも。