夕月の本棚

新旧いろいろ、ノンジャンルで本をご紹介します

もう、完結することを望まない…… 『王家の紋章』

子どもの頃に夢中になったマンガ。小学生ですでに、エジプト考古学に魅せられていた筆者にとって、このマンガは特別な存在でした。

 

…昔は、ね。残念ながら、今は惰性で買っていることは否めない。15~20巻くらいまでがむちゃくちゃ面白いんだよな。

 

細川智栄子 『王家の紋章』 秋田書店

 

現在70巻、年に1冊刊行中(主人公は別人のように変化……)。

長期連載中の著者様に対して、読者への思いを込める意味で、今回は書いています!

 

なにしろ、第1巻が1977年ですからねぇ・・・小学校から追い続け、長年、連載誌のプリンセスも買い続け(雑誌はもう20年以上買っていないが。単行本のみで)・・・。

 

とにかく!終わってくれ!ラストが見たい!との一心で、“けなげに”買い続けていたのですが。。。

 

ストーリーは、考古学者の卵(高校生)のキャロルが、タイムスリップして古代エジプトへ。そこで、ファラオのメンフィスに愛され、王妃となって・・・というストーリー。

 

子どもの頃から古代エジプトファンだった筆者は「どハマリ」して、とにかく夢中になって読んだ漫画が、今も「うれしはずかし」現在進行中というわけですね。

しかし、このマンガ、終わる気がしない!!!

もう、終わらせる気がないんじゃないか?

 

失礼ながら、著者はけっこうな高齢だし(90近い?戦前生まれの御大だから)。

でも、こまめに休載はするものの、連載はずっと続けているし、年1回ペースでコミックが出続けていますから、ファンとしても、ずっとついてきたわけなんですけどね。

 

しかし、70巻を超えても、伏線が広がり過ぎていて、まったく回収の目処がたっていない。登場人物は増え続け、古代世界のありとあらゆる王族達が登場する始末。

 

このマンガ、第1巻で、メンフィスのミイラが見つかるところから始まるんですよね。。。しかも、設定では、「若くして死んだ王」ということになっている。

つまり!最終巻は、メンフィスは死ぬということが既定路線な訳ですね。もしくは、タイムトラベラーであるキャロルの介入により、未来を変えるのか。。。

 

いずれにしても、著者は、最初の設定したラストに嫌気でもさしているんでしょうか?

それで、終わる気がなく、絶筆になってしまうのか???

 

ベタな終わり方としては、メンフィスを失い、現代に戻ったキャロルがナイルの畔に立つラストシーンを想像していたんですけどねぇ。もしくは、現代に生まれ変わりのメンフィスと出会うとかさ(笑)。「正しい」少女マンガのラストですよね(笑)。

 

・・・ちなみにですが、未完の名作ってないというのが私の主張です。ラストまであってこそ、名作たり得ると思います。

 

でも、もういい!

正直言えば、もうラストを見たいとも思わなくなってきました。ただ、ここまで来たら、最後まで見届ける覚悟のみです!

 

・・・お願いだから、絶筆の際には、キャロルがエジプトにいるときでお願いします……たぶん、共感してくれるファンも多いと思います。

 

 

(2017年11月初出、2024年10月加筆修正)

 

 

COPYRIGHT © 2024 夕月 ALLRIGHTS RESERVED